デイサービスで「自立支援介護」を実践するなら

最近話題の「自立支援介護」

基本ケアの目安

水分:1日1500ml

栄養:1日1500kcal

運動:1日2キロ

排泄:3日以内の自然排便

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竹内式介護の要点

・歩行(パワーリハビリテーション)

・水分ケア

・おむつはずし

このあたりが特養など中心に行われる竹内式介護と呼ばれる手法の要点です。

特に歩行は全てのADLには歩行が関わっているのだから、どんどん練習していく必要があると。

まさに歩行は自立支援の鍵。

関連記事:自立支援介護の誕生!?

新版 介護基礎学 高齢者自立支援の理論と実践

「自立支援介護」には賛否両論あるのが現状。

ただ、個別の手法が盲目的に良い良いと進められるのではなく、色んな点がブラッシュアップされてくることが望ましいです。

以前の高齢者住宅新聞では、「自立支援介護」について業界内では反対意見の方が多かったの記事も。

業界の常識は、世間の非常識という状態。

個々のケースで対応も異なり、難しいケースもあるんだからそんな自立支援介護なんて使えない!という意見が多いようです。

一般化の罠

今まで、竹内式介護で実践していく中で、うまくいかない症例があった。

超高齢で介護度5の寝たきりの方にまで、歩行練習を当てはめるのはおかしい。

様々な困難事例があったのだと思います。

ただ結局は、色んなケースがあるということです。

業界外から考えたら、介護保険の理念は「自立支援」なわけですから、字面としておかしなところはない。

そこにインセンティブをつけることにしても、普通と見ている方が多いのではないでしょうか。

そうでなければ、ここまで議論は一気に進みません。

最近、業界内でここまで賛否両論出る話題はなかったですから、国の話の進め方としては、十分効果は出せたということでしょう。

賛否両論が巻き起こる中で、介護保険の基本理念である「自立支援」や「全人間的復権」というリハビリテーションの考え方、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士というリハ職が存在が認知されていくといいと思います。

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自立支援介護をデイサービスで活かすとしたら?

特養などの入所施設では衣食住のトータルアプローチが可能です。

では、滞在時間の限られる通所施設(デイサービス)でどのように活かすべきか?

やはり、以下の基本ケアの徹底と状態管理ということになるでしょう。

①水分:1日1500ml

②栄養:1日1500kcal

③運動:1日2キロ

④排泄:3日以内の自然排便

1日の生活の全てを行う場所ではないので、全てを実践することは出来ません。

ただ在宅生活において、これらの項目がどのくらい達成できているかの確認は行えます。

今後のデイサービスは、介護度が重い方の利用がさらに増えます。

車椅子で過ごす時間を減らして、いかに歩く機会を確保することが出来るか。

基本的ADLを評価して、いかに他の介護スタッフなどに伝達していくか。

この辺がリハビリテーション専門職の腕の発揮どころではないでしょうか。

介護施設では一般的にリハビリテーション専門職の配置は少ないですから、マネジメントや教育という手法を利用しつつ色んな職員を巻き込んでいくことは必須になりますね。

関連記事:理学療法士のマネジメント③中間管理職・マネージャーの役割とは

やることはたくさんありますが、1点集中のミクロの視点と、俯瞰して見るマクロの視点を忘れないようにしましょう。

 

 

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阿部洋輔

デイサービス管理者の理学療法士/保健医療学修士/介護業界10年/介護業界で働く施設のマネジャーやリーダー、介護が必要な家族を持つ方に向けて情報を発信しています/みんなの介護「介護の教科書」コラム執筆しています/2人の娘の父/詳細なプロフィールはこちらです

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