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介護業界で働く理学療法士の阿部(@yousuke0228)です。
先日、理学療法士の武器ってこういうことなんだなと思うエピソードがありました。
【理学療法士の武器!】
療法士ではない機能訓練指導員のスタッフに「統合と解釈」の概念を伝えている。
利用者さんの動作能力のレベルと検査結果の因果関係を結びつけること。
なかなか難しい。また逆に「統合と解釈」は理学療法士の武器ということを再確認。
そんな理学療法士10数年目の春。— 阿部洋輔(介護業界で働く理学療法士ブロガー) (@yousuke0228) 2018年3月28日
ということで療法士として働きながらデイサービスで機能訓練指導員のスタッフにいろいろと話をしなきゃいけない方向けにまとめてみました。
目次
統合と解釈とは
「統合と解釈」は利用者さんの動作能力のレベルと検査結果の因果関係を結びつけること。
もう一度…
「統合と解釈」は利用者さんの動作能力のレベルと検査結果の因果関係を結びつけること。
療法士は当たり前に行っている思考プロセスなのですが、他職種の方にはもちろん一般的ではない。
私自身もここを勘違いしていまして、療法士ではない機能訓練指導員のスタッフに療法士の共通言語で話を進めようとしてしまいました。
マッサージすることや歩行練習をすることは外から見えますが、この統合と解釈は思考プロセスなので外からは見えません…。
だからこそ教育して理解してもらう必要があるのです。
リハビリにおける評価とは
そもそもリハビリにおける評価とは何でしょうか…
評価は利用者の持つ症状や障害を把握して、それらの情報を分析して、治療方針を立案して、その治療結果を確認し、患者の将来を予測する過程である。
評価は誰が行っても同一の結果が得られるような方法であり、信頼性・妥当性・確実性のある標準化された評価であることが要求される。
(引用:理学療法評価学)
これは理学療法評価の考え方ですが、療法士が管理者なりリーダーとなっている施設ではこの考えを他の機能訓練指導員に伝えていく必要があります。
この分析と考察というところがいわゆる「統合と解釈」
理学療法士の行う検査・評価項目
理学療法士が主に行う客観的な評価は以下の通りです。
- 一般的評価事項
- 形態測定
- 関節可動域測定
- 筋力検査
- 整形外科疾患検査
- 痛みの評価
- 知覚検査
- 反射検査
- 運動発達検査
- 姿勢反射検査
- 協調性検査
- 筋トーヌス検査
- 片麻痺運動機能検査
- 脳神経検査
- 高次脳機能検査
- 日常生活活動検査
- 動作分析
- 呼吸循環機能検査
などなどいろいろとあります。
そしてこれらを使った数値でないと客観的ではないということになります。
ICIDH(国際障害分類)
ICIDHは利用者さんのマイナス面に焦点を当てるため基本的には使われません。
しかし問題点を整理するためには考えやすい方法だと思いこちらを使っています。
- 機能障害(Impairment):個々のレベルの身体的欠損、変形、運動障害を表す(例:関節可動域、筋力、片麻痺のレベルなど)
- 能力低下(Disability):日常生活内での動作の遂行能力の障害(例:ADLやIADLなど)
- 社会的不利(Handicap):利用者の周囲を取り囲む社会環境によって受ける不利益
ICF(国際生活機能分類)今回は割愛です。
練習問題:問題点を把握することから
では、こんな方をイメージしてみましょう!
利用者さんとの話の中でこんな情報が集まってきますね。
- 1人で外出できない
- 階段昇降困難
- 膝に疼痛がある
- 筋力が弱い
- 起き上がり動作が困難
- 関節可動域障害
- 杖歩行による移動困難
- 生活範囲が狭い
これらの問題点を先ほどの3つの階層に分別しましょう。
統合と解釈を意識して欲しいので、さらに単純なケースでも良いかと思います。
問題点を分類する
大雑把にするとこんな感じです。
機能障害(Impairment)
- 疼痛
- 筋力低下
- 関節可動域障害
能力低下(Disability)
- 起き上がり動作困難
- 移動動作困難
- 階段昇降動作困難
社会的不利(Handicap)
- 生活範囲の狭小化
- 外出機会の減少
要は階層化してもらって、全体像が見えるようにすることがポイントです。
グチャグチャに問題点を把握していると、問題点に対するプログラムが立てにくいです。
プログラムは問題点に対応させる
ということでプログラム例はこんな感じ。
基本的には何の目的でこのプログラムを行っていること言えるようにすることがポイント。
- なんとなくストレッチ
- なんとなく筋トレ
- なんとなく歩行練習
は避けたいところ…。
そしてプログラム中はいつも評価をしているということを意識してもらいましょう。
まとめ
今回は統合と解釈を知らないスタッフに対しての指導のポイントをお伝えしました。
- 問題点把握
- 問題点整理
- それに対するプログラム立案
- そして再評価
こんな流れをまずは頭に入れてもらえるようにしましょう!
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阿部洋輔
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