皆様こんばんは。
理学療法士の阿部洋輔です。
リハビリ専門職が読むべき、論文を見つけましたので、シェア
財務総合政策研究所発行の『フィナンシャル・レビュー』
保健・医療・介護における効果・質・格差の評価―到達点と課題― (近藤克則先生)
そもそも財務総合政策研究所は、財務省の研究所。
いわゆるシンクタンクです。
論文の要旨
リンクはこちら。
要約
限られた社会保障財源を効率的に配分するためには,
費用対効果分析の視点が不可欠である。
そのためには費用と共に効果の測定が必要である。
しかし,今まで日本では医療やケアの効果や質の評価研究が遅れていた。
そこで,筆者らが取り組んで来た保健(介護予防),
リハビリテーション医療,介護(特別養護老人ホームのケアの質),
終末期ケアにおける研究の事例を紹介し,医療・介護の 効果・質の
「見える化」の到達点と可能性,そして今後の課題を論じた。
いずれの研究においても,効果の大きいものとそうでないものがあった。
それらを区別せず一律に費用抑制すれば,効果があるものまで抑制してしまう。
社会保障費の拡大のための負担を国民が 受け入れてくれるためにも,
無駄を排除して,増やした医療費や介護費が,ケアの質や公平性の改善に
つながるような「見える化」をはじめとする仕組みづくりが必要である。
そのためには,各領域における大規模データベースの構築,それらを研究の蓄積,
それらを包含するマネジメント・システムの開発が必要である。
(論文要約引用)
・介護予防分野
・リハビリテーション医療分野
・介護分野
・終末期分野
の分野にわたって書かれていますので、
まずは自分の関わる領域だけでも読んでみることを
オススメします。
セラピストの視点
目の前の一人一人の利用者さんや患者さんに
元気になって頂くことが前提条件ですが
統計的手法やマクロで捉えることの意味や必要性も
感じるところです。
これだけ国の財政が逼迫してきていますので、
費用対効果いわゆるコスパを見られる時代に
なっています。
養成校の授業でも(少なくとも私は・・・)
1対1の関わりの中からいかに結果を出すのか
という勉強が中心だったと思います。
今後はそこから2歩くらい引いて
マクロから見れる理学療法士や作業療法士も
活躍する時代になるでしょう。
データサイエンティストなんていう
新職業も誕生しているわけですし。
医療データサイエンティスト。
リハビリテーションデータサイエンティスト。
なるものも生まれるかもしれません。
「ビッグデータ」×「医療」なんて
ものはいくらでも発展しそうですし。
蟻の目:ミクロ目線
鷹の目:マクロ視点
という視点は忘れぬよう
日々精進です!!
阿部洋輔
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