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リハビリテーション専門職の理学療法士の阿部(@yousuke0228)です。
理学療法士はデイサービスでは機能訓練指導員として働くこともできます。
リハビリテーション、機能訓練って何?
そもそもリハビリと機能訓練は何が違うのか?
と思う方に送る記事です。
目次
平成28年3月に以下の資料が発表されました
リンク:第10回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会資料
リンク:「リハビリテーションと機能訓練の機能分化とその在り方に関する調査研究事業」
この資料はリハビリテーション専門職として気にしておかなければならないところ。
リハビリテーションと機能訓練の違い
未だ言葉の整理が明確にされていないことが発端でもあります。
介護保険施設や通所リハビリテーション、通所介護で提供される「リハビリテーション」や「機能訓練」について、その機能と役割を明確化されることが今後求められているので、この調査が行われたのです。
専門職の中でもその人なりの「リハビリテーション」や「リハビリ」がたくさんあって混乱してしまっていますし。
介護報酬上のルールなのか、そもそもの言葉の定義の話をしているのかが混乱してさらに議論を噛み合わないようにさせる悪循環もあります。困ったものです。
リハビリテーションとは
医師の指示の下、リハビリテーション専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が行うもの
機能訓練とは
日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止する ための訓練。
機能訓練指導員が行うものであり、リハビリテーション専門職ではなくとも可能。
機能訓練指導員は、看護師・准看護師・按摩マッサージ指圧師・柔道整復師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の免許を持っている職員のこと。
また介護報酬のルールで見るのか、本来の言葉としてのルールで見るのかでまた意味が変わります・・・。
事業の評価シートの結果の内容は以下の通り
- ケアプランの目標で、通所リハでは「心身機能の向上」が通所介護より高く、通所介護では 「社会参加支援」が高かった。 「介護負担軽減」は通所リハのほうがやや高かった。 ほとんどの目標では差がなかったことから、介護支援専門員には通所介護と通所リハの機能の違いがあまり認識されていないことがわかった。
- 通所リハではリハビリテーションマネジメント加算Ⅱを算定している事業所は大規模で、理学療法士・作業療法士の双方の配置、医師及び介護支援専門員、他のサービス事業所との連携をしていることがわかった。
- 通所リハでは最も優先順位が高い課題として「基本的動作」が最も多かった。 通所介護では個別機能訓練加算の算定がない場合は、最も優先順位が高い課題は「機能回復」だったが、個別機能訓練加算を算定している場合には「基本的動作」が最も多く、通所リハと同様の傾向を示したことが明らかになった。 なお、通所介護では個別機能訓練加算を届け出ている事業所では理学療法士や作業療法士を配置している割合が高かった。 さらに、通所リハと通所介護で日常生活自立度が向上した比率に差がみられた。
このように、機能訓練とリハビリテーションの課題が明らかになったという点において、妥当な結論であった。
通所リハと通所介護の差(リハビリと機能訓練の差?)はあるが、認識されていない
利用者の基本情報を比較しても・・・
- 通所リハ利用者の平均年齢は80.1歳、通所介護利用者は82.1歳。
- 通所リハでは「要介護1」が28.1%、通所介護では25.2%。
- 傷病は、通所リハは「脳卒中」が43.4%、通所介護は「認知症」が22.4%。
- 通所リハの利用期間は「12か月以上」が69.7%、通所介護は69.8%。
このデータから、違いを見出すのが大変ですね・・・。
まとめ
リハビリテーションと機能訓練の言葉としての違いはあります。(当たり前・・)
ただその両者を区別できる要素がほとんどなかったというのが今回の結果。
まずは働いている専門職はせめて言葉の定義を明確にしておくことが必要でしょう。
質を上げつつ、専門の方意外にもわかりやすい結果を。
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阿部洋輔
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