介護職員の腰痛問題〜新しい腰痛対策Q&A21を読んで〜

皆様おはようございます。

理学療法士の阿部洋輔です。

今話題(?)の腰痛に対する認知行動療法とはなんぞやということで、スーパー同級生に良い本を紹介してもらいました。

新しい腰痛対策Q&A21

新しい腰痛対策Q&A 21―非特異的腰痛のニューコンセプトと職域での予防法

安くて薄いのに、内容が詰まっていて素晴らしい本です。

患者さん・利用者さん向けの説明として。

専門職自身も勉強の入り口として。

色んな場面で使えそうです。

良く言われる話ですが、介護職員の腰痛問題。

厚労省からも介護業務での腰痛に対してこういった情報が出ています。

リンク:(厚労省)介護業務で働く人のための 腰痛予防のポイントとエクササイズ

これは社会的な問題でもあると思います。

「非特異的腰痛はなぜ起こるか?」という項目では、このような結果が示されています。

スクリーンショット 2016-01-07 3.12.04

(書籍の支障度の高い腰痛の危険因子の表を引用)

・持ち上げ・前屈み動作が頻繁

・25キロ以上の持ち上げ動作

・職場の人間関係のストレスが強い

・週労働時間が60時間以上

などなど

本当に介護職に特化した話なのかと思うくらい、介護業界で働いていると腰痛を抱えるリスクが高いということでしょう。

介護に従事していてストレスが多いと、腰痛になりやすい・・・。

業界としては、大変な問題です。

今後の腰痛対策として

書籍でも何度も言及されています。

○腰への負担に関わる問題(脊椎dysfunction)

○心理社会的な問題(脳dysfunction)

両者が腰痛対策の両輪。

理学療法士視点であれば、機能的にチェックをする脊椎dysfunctionに対してのアプローチが一般的です。

ただし、現在は心理・社会的な問題がある状態であれば、腰痛の重要な因子だということがわかってきています。

機能的な問題を放置して、心理・社会的な面をフォーカスしてしまってはいけないと思いますが。

そういった危険因子もあるということを押さえた上で、アセスメントしていく必要があります。

患者さん・利用者さんへの適切な情報提供も重要な専門職の役割ですね。

 

 

 

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阿部洋輔

デイサービス管理者の理学療法士/保健医療学修士/介護業界10年/介護業界で働く施設のマネジャーやリーダー、介護が必要な家族を持つ方に向けて情報を発信しています/みんなの介護「介護の教科書」コラム執筆しています/2人の娘の父/詳細なプロフィールはこちらです

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