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介護業界にいると、
「介護保険」を卒業させようっ!!
そんなフレーズを聞いたことはありませんか?
そこに違和感を感じませんか?
私は「介護保険からの卒業」問題は気になっていました。
介護保険の卒業ってなんなのか?
私たちは何をすれば良いのか、考えてみました。
目次
介護保険からの卒業とは?
要するに介護保険サービスを使わないこと。
介護保険の認定を受けて、介護サービスを受けることは国民の権利。
闇雲に介護保険を使わないように卒業しましょう!というのはおかしな話。
本来意識されるべきは、「方向性」の話。
介護保険に頼りすぎないように、出来ることは少し頑張りましょうということ。
自主グループに入って主体的に生活する。
なんてのが凡例でしょうか。
自立支援介護の推進
ただ国の財源の問題もあり、社会保障費を削減していこうという流れがあります。
そこで注目されたのが「自立支援介護」です。
介護保険の理念も「自立支援」ですから、細かい論争はありますが順当な流れ。
私自身、理学療法士というリハビリテーション専門職ですから「自立支援」はいつも軸にしておかないといけない考え方です。
高齢者住宅新聞で介護保険の卒業についての話
2017年12月の高齢者住宅新聞でもこんな話題がありました。
【⚠介護保険を卒業?】
卒業ありきだと…
・介護保険を使わないことが善
・介護保険を使うことが悪
のようになる。
介護保険の先進事例の和光市でも「介護保険の卒業」は使わないとのこと。
みなさんも気をつけよう⚠ pic.twitter.com/Xpc2lsUdvR
— 阿部洋輔(理学療法士ブロガー) (@yousuke0228) 2017年12月5日
今回の高齢者住宅新聞にもあったように
言葉の定義を曖昧にしておくと…
- 介護保険を使うことが悪
- 介護保険を使わないことが善
という認識になりかねません。
財源にも限界があって言わんとすることはわかりますが。
どうやら正しい使い方は
【「通所介護サービス」を卒業して、自主グループに入る。】
と言うようなことです。
埼玉・和光市の高齢者が介護保険を“卒業”できる理由: こうすれば実現する! 理想の地域包括ケア
実はこの書籍のタイトルがことの始まりだとか。
確かに「介護保険を卒業できる理由」って書いてある。
書いてある内容は正論なのですが、タイトルをキャッチーにしすぎたんですね…。
★内容はとても良いですよ!!
私たちがやること
- 言葉の定義をしっかりとすること
- 方向性は自立支援を推進する
- 「形」にこだわりすぎない
言葉の定義はしっかりすること
- リハビリテーション
- 介護保険
などなど
私たちが日々使う言葉の整理は常に意識しておく必要がありますね。
私も今日から、「介護保険の卒業」という言葉は使いません。
方向性は自立支援
介護保険に頼りすぎなくてもいいようにどういった形で支援できるかを考えましょう。
デイサービスで働く人であれば、どうやって利用者さんがデイサービスを使わなくとも、生活を安定させることはできないかと考えてみるきっかけにしてみてください。
結果無理であっても、それを考えるプロセスは無駄でないと思います。
形にこだわりすぎない
介護保険サービスでも自費サービスでもうまく支援ができればそれがベスト。
介護保険というもの利用者さんを支援する1つのサービスにすぎません。
自費サービスが推進されて話題になっている今だからこそサービスの軸である「介護保険」の定義や役割はなんぞやということを再確認していきましょう。
言葉の使い分けはしっかりとしないといけないですね。
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阿部洋輔
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