医療経済学を考えてくとエビデンスに基づく理学療法になる

皆様おはようございます。

介護業界で働く理学療法士の阿部(@yousuke0228)です。

医療経済学について、こんな記事を書きました。

医療経済学を学んで理学療法士ができること

今回は、経済分析。

経済分析とは「効果とコストを見比べました」・・ということ。

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 医療における経済分析

①費用最小化分析:

新しい技術と比較対照の技術で効果が同じ場合に用いる方法で、この場合には費用が少ない方が効率的と判断できる。(例)ジェネリック薬品

②費用効果分析:

これは病気や治療の目的等に応じて、適切な効果指標を決めて用いる方法である。例えば生存年数の延長や治癒した患者数、あるいは臨床検査値等、様々な指標を用いることが可能である。(ただし、例えば高血圧症に対する運動指導や薬物療法等で仮に収縮期血圧を10mmHg下げるためにかかる費用がわかったとしても、どの程度までの追加費用ならば許容されるかを考えることは困難である場合もある.)

③費用便益分析:

費用効用分析は,効果の指標として,生存年数とQOL(Quality of Life)の両方を考慮した質調整生存年(Quality Adjusted Life Year: QALY)といった指標を用いる方法である。がんや心疾患といった生死に大きく関わる疾患の治療に関しては、従来から生存年数の延長を効果指標として用いる費用効果分析が行われてきた。

④費用効用分析:

効果を全て金銭換算することが大きな特徴である。費用便益分析は例えば道路やダムを建設するといった公共事業において一般に用いられている方法で、効果を金銭換算することにより、便益から費用を引き算した純便益が算出でき、純便益がプラスならば、即ち便益が費用を上回るのならば、効率的であると判断することができる。ただし、医療においては効果を金銭換算することが課題である。

引用文献:医療経済評価手法の概要/福田敬 

このようにいろんな分析や評価方法があるようです。

理学療法士にも、もちろん理学療法評価というのがあります。

今回はその視点ではなく・・・。

今後、医療経済の中にいる医療職としての理学療法士目線で見ると。

「効果とコストを見比べました」という経済分析の視点は非常に重要になってきます。

昨今これだけ医療費、介護費が増大していれば国としても効率化を図るほかありませんよね。

一歩引いた目線

以前、「ハイリスクアプローチ」と「ポピュレーションアプローチ」の両方の視点が大事になると書きました。

健康日本21で学ぶ高血圧のポピュレーションアプローチ〜理学療法士に求められる視点〜

俯瞰した情報や捉え方といったことを考慮すると、活かしていかなければいけないのは「EBM」(エビデンス・ベイスド・メディシン)です。

医療経済学においては、情報の非対称性なんかが当たり前のように前提とされています。

このエビデンスに基づく医療が広まることは、その情報の非対称性を解消させるし、現場で働く医療者としてもプラスになります。

そして治療の効果を出すことに直結してきます。

理学療法士の世界<医療経済

理学療法の世界ではEBPT(エビデンス・ベイスド・フィジカルセラピー)な訳です。

この視点は患者さんや利用者さんだけでなく、理学療法士の教育にも重要。

経験則による情報提供も非常に重要ではありますがこの時代において、俯瞰した立場からの情報提供が重要なことは疑う余地もありません。

それが医療経済。

医療経済を考えていくと自然とエビデンスに基づく理学療法に行き着きますね。

これが国や財務省が見ているポイントだということが分かれば、少し動き方も変わってくるのではないでしょうか。⇨平成30年度介護報酬改定に向けて準備しておく3つのこと
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阿部洋輔

デイサービス管理者の理学療法士/保健医療学修士/介護業界10年/介護業界で働く施設のマネジャーやリーダー、介護が必要な家族を持つ方に向けて情報を発信しています/みんなの介護「介護の教科書」コラム執筆しています/2人の娘の父/詳細なプロフィールはこちらです

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